所有権移転の留保についてかんたん解説

access_time2017年1月21日 更新

調べても全然わからない人へ!「所有権移転の留保」を超やさしく解説します

調べても全然わからない人へ!「所有権移転の留保」を超やさしく解説します

こんにちは、自称“不動産業界の申し子”、コンサルタントF山です。

所有権移転留保」っていかにも難しそうな用語ですよね。ちょっとインターネットで調べてみたけど、さらに難しい言葉で解説されていて余計にチンプンカンプン……。そんな方も多いのでは?今回は「もっと分かりやすく解説してほしい!」という声にお応えして、所有権移転留保とはどんな状態か、コンサルタントF山がわかりやすくレクチャーしたいと思います!

買主が決定、契約も順調。所有権がそのままなのはなぜ?

Aさんは長年暮らした家を手放すことを決意し、不動産業者N社を仲介役として買主を探してもらうことになりました。N社はAさんの代わりに買主を募集し、買主はBさんに決定。売買契約も比較的スムーズに進み、AさんからBさんへの家の引渡しも無事に完了したところです。しかし、Aさんが売却した不動産の所有権は、いまだにAさんのもとにあります。それはなぜなのでしょうか?

物件の引渡し後も所有権が買主にあるってどういうこと?

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まずは、N社を仲介せず、AさんとBさんとの間だけで成立する不動産売買について考えてみましょう。この場合は買主Bさんが売買代金を全額支払うと同時に、所有権も売主Aさんから買主Bさんに移るというシンプルな関係になります。

次に、N社を仲介役とした不動産売買について考えます。まさに先ほどご説明したケースです。この場合、実際の売買はAさんが一旦N社に物件を売却し、その後N社がBさんに物件を売却することになりますね。最終的に物件の所有権はAさんからBさんへ移ることが明らかなわけですから、AさんがN社に一旦売却したからといって、一時的にN社が所有権を持つことには登記上の手間などを考えると何のメリットもありません。

このように、そもそもN社が第三者(Bさん)に売却することを前提に、一旦Aさんから物件を買い取る場合には、一般的に直接移転売買(新・中間省略売買)と呼ばれる形をとることになります。

この直接移転売買(新・中間省略売買)では、1番目の特約として「所有権は直接、売主Aさんから買主Bさんに移転する」とされています。つまり、仲介役のN社がAさんに売買代金の全額を支払ったとしても、自動的にN社へ所有権が移転しないようにし、N社が所有権の移転先としてBさんを指定した時点ではじめて所有権はAさんからBさんへ移るという状態にしておくわけなんです。これが「所有権移転の留保」です。

実際には、どのような流れで締結するの?

所有権移転の留保という状態が法的に認められているとはいっても、所有権を取得しないN社の立場は不安定なものとなりますよね。N社はできるだけ早く、買主(Bさん)を指定する必要があります。

買主(Bさん)の支払い期日の関係などで時間がかかる場合は、売主Aさんへ支払った代金の保全策として、抵当権の仮登記を入れるなどの対策を行います。 実際には、AさんとN社間の決済、N社とBさん間の決済は同時に行われることが多いようです。そうすれば、すべての決済と所有権の移転が同タイミングで完了できるというわけですね。

重要なところなので、もうちょっと補足説明!

宅地建物取引業法では、原則として不動産業者が売主で、個人が買主になる場合、所有権の留保を禁止しています。しかし、物件の引渡し後に不動産業者が買主から受け取った金額が、全体の10分の3以内の場合や、買主が抵当権などを設定できる見込みがない場合は例外としています。

この背景として、不動産会社が所有権の移転を留保すると、一般消費者である個人の買主が物件の引渡しを受けたとしても、所有権および登記を保持していない状態になってしまうことが挙げられます。これらはその不動産会社がもしものケースで二重契約をしたり、倒産したりした場合、買主が大きなリスクを背負うことになるので、消費者保護のために講じられた措置なのです。

 

所有権移転の留保について、少しは理解が深まりましたか? 次回も、コンサルタントF山がちょっと難しい不動産用語を分かりやすく解説します。どうぞお楽しみに!



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