access_time2017年1月20日 更新

生前贈与で節税したいときに使える4つの制度

生前贈与で節税したいときに使える4つの制度

不動産投資を行っていると、それなりの資産を築くことができます。しかし、築いた資産をそのままにしておくと、相続税が発生して多額の税金を取られてしまうかもしれません。相続税対策として、さらに不動産投資を行うという方法もありますが、贈与税の非課税枠を利用するという方法もあります。

生前贈与には4つの非課税枠がある

贈与税とは、相続税の課税逃れを防ぐための補完機能を持った制度で、相続税と密接な関わりがあります。

相続税は基礎控除額を上回る資産を相続した相続人が対象となり、その基礎控除額は平成27年1月にそれまでの5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)から、3,000万円+(600万円×法定相続人の数)に引き下げられました。例えば相続人が妻と子供2人だった場合は、基礎控除額が6,500万円から4,800万円まで下がることになりますので、実質的に相続税の対象となる人が増えたということです。また、相続税の税率も基礎控除額と同じく平成27年1月に改正され、最高税率はそれまでの50%から55%に引き上げられました。

このように相続税は課税強化をされているため、贈与税の非課税枠を上手く活用して節税をする必要があります。その非課税枠とは「贈与税の基礎控除」、「相続時精算課税制度の特例」、「住宅取得資金贈与の特例」、「贈与税の配偶者控除の特例」の4つです。

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基礎控除による非課税枠は110万円以内

贈与税は財産を取得した方にかかる税金です。贈与税には基礎控除が設けられており、その年の1月1日から12月31日までの間にその基礎控除額を超える金額を贈与により受け取った場合に課税されます。基礎控除額は110万円で、誰から何をもらっても110万円以内なら非課税ですが「みなし贈与財産」を加える必要がありますので、注意してください。

「みなし贈与財産」とは実質的に贈与を行ったものとみなされる財産のことで、親が子供名義の口座を作り毎年基礎控除額以上の金額を振り込んでいて子供がその事実を知らない時や、個人年金保険で保険料負担者以外の者が年金を受け取る場合などが該当し、このような行為があった場合には贈与とみなされ贈与税の対象になります。

また、毎年同じ相手に同じ金額の贈与を繰り返す場合も多額の贈与を分割しているとみなされ、これに該当します。さらに確定申告を青色申告で行い貸借対照表を作成していると、110万円以上の贈与を内緒でしていることが税務署に見つかることもあります。

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2,500万円までOK!相続時精算課税の特例による非課税枠

贈与税の基礎控除では金額が少なすぎて財産移転が上手くいかないことや、急激な高齢化に伴う相続時期の遅れなどが背景となって、平成15年に「相続時精算課税制度」という制度が設けられました。

この制度は贈与を受けた人が贈与者ごとに合計2,500万円までの生前贈与について非課税となるという制度です。ただし、贈与者の相続が発生した場合には贈与財産を相続財産に加えて相続税を計算する必要があり、贈与税を払っていた場合にはその相続税から控除するという制度となっています。

また、一度この制度を利用するとその贈与者からの贈与については基礎控除の適用ができなくなり、2,500万円以上の贈与については一律20%の贈与税率が適用されます。

この制度には適用対象者の年齢制限があり、贈与者は60歳以上の父母又は祖父母で、受け取る側(以下受贈者)については20歳以上の子供や孫となっています。また、贈与を受ける回数や財産の種類には制限はありません。

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最大1,200万円!住宅取得資金贈与の特例による非課税枠

住宅取得資金贈与の特例とは、子供が住宅の購入や増改築を行うための資金の贈与に限っては一定金額までは非課税にしようという制度です。

贈与者については父母や祖父母、受贈者については合計所得金額が2,000万円以下の20歳以上の子供や孫が対象となります。また、適用対象となる住宅の床面積も50平米から240平米以下という基準もありますので、注意してください。

肝心の非課税枠については、購入や増改築を行う契約の時期や省エネ性、耐震性といった要件を満たしている住宅とそうでない住宅とで異なり、平成29年9月までは最大1,200万円の贈与について非課税とすることができます。

この制度の特徴としては、先ほど述べた相続時精算課税制度と併用することができる点で、併用すると最大3,700万円の贈与まで非課税とすることができることです。一方で注意点としては、住宅ローンの支払いには使えないことや、土地だけの購入には使えないことが挙げられます。

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2,000万円まで!夫婦間贈与の特例による非課税枠

相続が発生した場合に、その相続税の支払いのために「妻が自宅を売却しなければならない」なんていう事態は誰でも想像したくないですよね?そうならない為に、自分の配偶者に居住用の家屋や敷地を生前贈与するための非課税枠が設けられています。それが贈与税の配偶者控除です。

この控除の適用を受けるためには、婚姻期間が20年以上であること、居住用の家や土地を取得するための資金であること、贈与年の翌年3月15日までにその居住用の家に居住しその後も居住する見込みであること、といった要件を全て満たしておく必要があります。また、同じ相手に対しては一生に一度しか適用されませんので、慎重に行う必要もあります。

この制度の控除額は最大2,000万円で110万円の基礎控除と併用することができますが、その年に納める贈与税額が0円である場合でも、贈与税の申告書を提出しなければなりませんので、注意しておいてください。

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期限付きで非課税になる制度も

贈与における非課税措置は他にもあります。教育資金の一括贈与に係る非課税措置と結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税措置の2つです。

教育資金の一括贈与に係る非課税措置の適用対象者は、贈与者が父母・祖父母、受贈者は30歳未満の子供や孫で、非課税限度額は1,500万円までとなっています。ただし、受け取った財産は学校に支払われる入学金や授業料等にしか使ってはいけません。

もうひとつの結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税措置についての適用者は、贈与者が父母・祖父母、受贈者は20歳以上50歳未満の子供や孫で、非課税限度額は、結婚資金が300万円、子育て資金の場合は1,000万円です。こちらの制度も受け取った財産は挙式費用や新居の住居費などの結婚費用や、出産費用、子供の医療費などの子育て資金にしか使うことはできません。

なお、どちらの制度も期限が定められており、平成31年3月31日までしか利用することができませんので、利用する予定がある方は早めに利用するようにしてください。

贈与の仕方を工夫すれば非課税に?

ここまでさまざまな贈与税の特例による非課税枠について記述してきました。では、基礎控除の110万円を利用して生前贈与をすることは難しいのでしょうか?

基礎控除を利用して生前贈与をする方法には「連年贈与」という方法があります。「連年贈与」とはその名前の通り、基礎控除額未満の金額を毎年贈与していく方法のことです。例えば、2,000万円を贈与したい時は100万円を20年に分けて贈与をすれば、毎年の贈与は基礎控除以下ですので、贈与税はかからずにすみます。しかし、この方法を行った場合は「定期贈与」とみなされないように注意してください。「定期贈与」とは定期的に一定の贈与をする約束をしてから贈与するという方法で、過去に遡って一括に贈与されたとみなされて課税されます。

ただし、この「連年贈与」は贈与者と受贈者との間に約束や契約がないとみなされません。そのため契約書などで契約していない限りは、毎年同額を同日に振り込むといったようなことをしない限り追及されることはまれです。

非課税制度を有効活用して節税を

贈与税の非課税枠や贈与の方法には御覧いただいたようにさまざまなものがあります。不動産投資においても、贈与税や相続税の対策においても共通していえるのは、早めに始めた方が良いという点ではないでしょうか。

日本における相続税の税率は高く「3代相続が続くと家が無くなる」と言われるほどです。せっかく不動産投資で築いた財産が無くなることがないように、不動産投資に余裕が出てきたら、生前から相続税対策や贈与税対策も検討していきましょう。



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