ホームステージングで物件売却を有効に

access_time2017年7月18日 更新

物件売却を有利にできる!?ホームステージングとは

物件売却を有利にできる!?ホームステージングとは

戸建てやマンションなどは同じ不動産でも土地とはまた違った性質を持つものです。そこには経年劣化や住人の使用歴などからくる価値の減少という側面がどうしても入ってくることや、新築物件が大好きな日本人特有の「新築信仰」なども関係してきます。こうした事情から、中古物件をいざ売却しようとなった時「思ったほど高く売れない」、「なかなか買い手が付かない」という困った事態も起こります。

不動産の売却には上記以外にも色々な要素が関わってくるので、ケースバイケースですぐに売れることもあればかなり手こずることもあります。通常不動産の売却を考える場合にはプロの不動産業者に実務を依頼することになりますが、通常の売却スキームとは別に最近登場してきた新たな技術があります。

それは不動産を売るための演出技術を武器にした「ホームステージング」というサービスです。

ホームステージングって一体なに?

ホームステージングとは、マンションや戸建てなどの家屋不動産の売却の際に、その物件の魅力を最大限に引き出して資産価値を高めるために様々な演出を施すこと、あるいはその技術をいいます。日本ではまだあまり馴染みがありませんが、元々はアメリカで発達したサービス技術です。

日本国内の不動産市場は、日本人の指向的に「新築信仰」が強いことから新築物件が好まれる傾向が非常に強く、中古物件についてはその価値評価を激減させる傾向にあります。そのため資産としての正当な評価を受け辛く、中古物件の売却のシーンでは高値がつきにくくなるのが実情です。

一方アメリカをはじめとする海外の多くの国では、住宅事情における主役は新築よりも中古物件であり、そのため中古物件を売るための技術的なサービスが発展しています。

ホームステージングもその一つで、アメリカと同じく住宅市場において中古物件が多いフランスやカナダ、イギリスなどでもこの技術が発展、浸透しています。日本でこれまで発展してこなかったのは、木造が主だった日本家屋は老築が早く、何代も他人の手に渡りながら何十年と長く使い続けることを想定していなかったのが一つの要因と考えられます。海外では昔から堅牢な住宅具材を用いることが多かったため、何代も他人の手に渡って活躍する物件が多かったのです。

しかし最近は日本国内の建築建材も耐久性が飛躍的に上がり、長く使い続けることが想定されるようになってきました。それに伴ってわが国でも中古物件の売却においてホームステージングの技術が話題に上がるようになってきたのです。

どんな技術や手法を用いるの?

ホームステージングは言ってみれば舞台演出のようなもので、その物件をより魅力的に見せる様々な「仕掛け」を行います。

モデルルームの見学会やオープンハウスに参加した方はイメージしやすいと思いますが、綺麗な家具や食器などが配置され「ああ、ここで調理をして、ここで家族で食事をして、ここでソファーにもたれてテレビを見ながらくつろいで・・」などと色々想像させられたと思います。単に新品の家具を置くのではなく、部屋の間取りや窓の配置、外に見える景色などを総合的に考慮し、購入を検討する見学者が自分たちが購入した後で快適な空間を楽しめるイメージが持てるような家具セッティングを行います。また絵画や観葉植物などを適切に配置したり、ホームシアター設備なども投入して、人生の満足感を感じられるような、多少の「優雅感」も演出します。他にも視覚、嗅覚、聴覚に訴えるために照明や香り、BGMの演出も行います。さながら舞台演出といったのも納得いただけるのではないでしょうか?

さらに良質なホームステージングサービス提供者は事前にしっかりとターゲットを絞り、戦略を練ったうえで行われます。すなわち、その物件がどのようなエリアに位置し、そのエリアではどのような購買層がいるのか、その購買層はどのような物件を好む傾向があるのかなどを調べ、ターゲットに魅力的に映る演出を実行します。また周辺のライバル物件の調査も行い、それらよりも顧客に対して魅力を出せるように工夫されます。

ホームステージングのメリットとは?

ホームステージングを利用することのメリットは「より高く」「より速く」売却を成功させることができる点につきますが、具体的には通常半年ほどかかる売却期間をおよそ1.5か月程度にまで短縮できる、また相場の1割ほど高く売ることができるというような話も聞かれます。この数字については確約されるものではありませんが、何も工夫を施さない場合と比べれば有意な差が出るのは当然とも言えますね。

通常であれば全ての家具や荷物を運びだし「より広く」見せるのが物件売却の常道ですが、空室だと逆に「冷たく感じる」「生活がイメージできない」ととってしまう人もいます。かといって現住のため家具が残っていると「他人の生活」感が出るので見学者には参考にしにくいですし、退去後に下手に家具を置くなどしても同じです。

一方ホームステージングの演出は単に生活感を感じさせることではありません。その購買層に合った、人生の充実感を伴う生活をイメージできるよう配慮されるのでその効果は抜群です。

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ホームステージングが適する物件と適さない物件の違い

ホームステージングを利用するのが効果的とみられるのは比較的高価格帯の物件です。世帯用の広めのマンションや比較的新しく綺麗な戸建てなどが有効で、人生の将来をしっかり見据えている購買層は物件を購入した後のイメージを数十年の長いスパンで考えますから、工夫が凝らされた演出が効果的に伝わります。

一方、低価格指向の購買層はハイグレード感よりも値段重視となるため、演出の効果が伝わりづらくなります。比較的古い物件は値段重視で見る購買層が対象になるので、ホームステージングのメリットがあまり出ないこともあります。

では・・・どれくらいの費用がかかるの?

ホームステージングは各社が提供するプランによって費用も変わります。アドバイスだけを行う場合は数万円~、レンタルの家具や調度品のセッティングを行う場合は数十万円程度かかります。演出する部屋をリビングのみにするなどポイントを絞る場合は少し費用を抑えることもできます。売却に臨む過程で物件全体の清掃や写真撮影、引っ越しのサポートなどトータルで依頼すると物件価格の何パーセントという感じで料金設定がされることもあります。

こうした費用感を捉えて、販売価格に上乗せしてもなお金額的なメリットを得られるかどうか検討が必要です。

まとめ

今回は最近日本でも知られるようになってきたホームステージングについて見てきましたが、現住の住人がより快適に過ごせるように考える単なるインテリアコーディネートと違い、あくまでも「売るための総合演出技術」であり、購買層の視点に立った工夫が施されるものです。

一般社団法人ホームステージング協会が管理する民間のホームステージャー資格制度もありますが、日本では個人単位での活動は普及しておらず、ホームステージサービスを手掛ける会社で活躍することになるようです。実際にホームステージサービスを提供する市場には不動産関連企業、物流企業、引っ越しサービス企業、遺品整理関連企業、インテリア関連企業など多方面の企業が参入しているので、依頼する際はどんな強みがあるのかをよく検討する必要があります。

また上記資格を保有する資格者がいるとより良いかもしれません。同資格者はホームステージング全般の知識技術の他にも片づけ収納や清掃技術、遺品整理などについても知識を保有しているので相続物件の売却などの事案でも強みが発揮されるかもしれませんね。



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