マンションの老朽化と建て替えの関係

access_time2017年3月9日 更新

加速するマンションの老朽化!なのに建て替えが実現しないのはナゼ?

加速するマンションの老朽化!なのに建て替えが実現しないのはナゼ?

こんにちは、自称“不動産業界の申し子”、コンサルタントF山です。

日本で初めてマンションが建設されてから約50年が経ち、2018年には築50年超のマンションが全国で5万戸に達すると言われています。しかし、マンションの建て替えはそれほど活発に進んでいないという現状をご存じでしょうか?このコラムでは、その背景を探ります!

建て替え完了・実施中・準備中のマンションはたった230件!

郊外のマンションに暮らすS木さん。購入して20年経ったマンションは、共用部分など各所に老朽化が見られるようになりました。最近、一部の住民の間では建て替えに前向きな意見が出ているという噂を耳にしました。一方で、建て替えは現実的に厳しいよねというシビアな意見も……。

いまや老朽化したマンションは社会問題化しつつあります。しかし、国土交通省が発表したマンションの「建て替えの実施状況(2016年4月1日現在)」によると、建て替え準備中と実施中のマンションが34件、工事完了したマンションが196件で、合計してもわずか230件しかありません。全国のマンションストックは2015年末時点で約623万戸ありますから、建て替えのケースがいかに少ないか、かつ厳しいのかがお分かりいただけるでしょう。

建て替えが進まない理由は、住民の合意を得るのが難しいから

マンションの建て替え決議を可決するには、区分所有法に基づき、区分所有者の5分の4以上の賛成が必要です。実は、ここをクリアするのが至難の業……。S木さんの暮らすマンションでは住民の高齢化が進んでいるため消極的な意見も多く、建て替えに踏み切るのがとても困難なのです。

マンションの建て替えには、当然ながら高額な費用がかかります。マンションの建て替え負担金は、グレードや修繕積立金の積立額などで変わりますが、60㎡のマンションでざっと1,000~2,000万円程度かかると言われています。その費用は住民の持ち出しですから、その工面をどうするのかという問題が重くのしかかります。さらに、住宅ローンの返済中の人にとっては、ダブルの負担となります。新しいマンションに生まれ変わるのは賛成ですが、肝心の費用が……。全員がすんなりと「賛成!」とはいかないのは、このような事情があるからです。

マンション建て替えはとにかく時間と手間がかかる!

マンションの建て替えは大きく「準備段階」「検討段階」「計画段階」「実施段階」の4つのプロセスに分かれます。最大のヤマ場である「建て替え決議」に辿りつくまでが最大の難関ですが、その後も苦労の連続であることは言うまでもありません。最初に建て替えの検討を始めてから建て替えが完了するまで、なんと20年以上かかるマンションもあるほどです。

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S木さんはマンションの建て替えを実現するための一連の流れを知り、なかなか建て替えが進まない理由を痛いほど理解することができました。しばらくは他の住民の皆さんの意見に耳を傾けながら、動向を見守るしかなさそうです。

 

次回も、コンサルタントF山がちょっと難しい不動産用語を分かりやすく解説します。どうぞお楽しみに!



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