access_time2017年7月12日 更新
初めて不動産を売る人、必読!引き渡し前に必須の「抵当権抹消」って?

こんにちは、自称”不動産業界の申し子”、コンサルタントF山です。初めての不動産売却、何かと不安なことが多いですよね。「買主が見つからなかったらどうしよう……」「売却の手続きもやることが多くて難しそう……」そんな風に考えている人もいるのでは?
今回は物件の引き渡し前に必要な手続きについて、抵当権の抹消とは何なのか、なぜ必要なのかについてお伝えしたいと思います。
不動産売却を決めたら気にしておきたいこと
先日F山のもとにご相談に来たO木さんも、不動産売却に不安を抱える一人です。
売却後の引き渡しまでに準備することって?
売買契約を締結したら、売主は残代金の受領の日までに、買主へ物件を引き渡せる状態にしておかなければなりません。所有権移転登記の準備や現地確認、土地の実測、境界確認、売主の引っ越しをはじめ、住宅ローンなどの抵当権が残っている場合は抹消する準備も必要です。
◯所有権移転登記の準備
第三者から不動産を購入する場合、一般的には仲介業者である不動産業者を通して売買契約を締結し、代金決済時には通常、不動産登記の専門家である司法書士に委任して所有権移転(名義変更)手続きが行われます。必要書類を忘れないように気をつけましょう。
◯現地確認
引き渡し前の現地確認は重要です。売主、買主、不動産会社とともに現地確認を行います。契約締結から引き渡しまでの間に物件に変化がないかなどを確認します。
◯抵当権抹消手続きの準備
売却する物件にローン残債があり抵当権など金融機関の権利がついていたら、売主は所有権移転時までに抵当権を抹消し、売買契約の内容通りの状態にしておかなければなりません。
抵当権ってなんですか?根抵当権とは、どう違うの?
抵当権とは、銀行などの金融機関が住宅ローンを融資する時、万が一返済が滞ってしまった場合を想定して、家や土地などの不動産を担保に入れることを言います。住宅ローンを組んだ時は、必ず抵当権設定登記をしなければなりません。
抵当権に似ている用語として「根抵当権」がありますが、この2つは別物です。抵当権は返済を終えるごとに消滅し、新規の融資の都度、担保の設定の登記をする必要があります。一方の根抵当権は、お金を借りられる上限金額までの範囲で、お金を借りたり返済したりを繰り返すことができるという点で異なります。根抵当権は主に法人や個人事業主が経営資金などの融資を銀行から受ける代わりに、所有している不動産に設定されるケースが多いと言えます。
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抵当権を抹消しないと、どんな問題があるの?
Y崎さんのように家を売却する場合や、不動産を担保にして新たなローンを借り入れる場合は、原則として抵当権を抹消しておく必要があります。登記簿上、物件に抵当権がついたままでは、買主は住宅ローンが完済された物件かどうか判断できません。もし住宅ローンの残高があり、売主の支払いが滞ってしまったとしたら、最悪の場合、抵当権のついた物件が差し押さえられてしまいます。買主にとってせっかく購入した物件が自由に使えなくなってしまっては意味がないため、売却時には抵当権の抹消が必須になるのです。
また、抵当権が抹消されたことを認められなければ、金融機関は買主に新たな住宅ローンを組むことを拒むなどの不利益があります。きちんと抹消手続きをしておきましょう。
次回も、コンサルタントF山がちょっと難しい不動産用語を分かりやすく解説します。どうぞお楽しみに!