共有名義の物件の売却時の問題点について

access_time2017年1月13日 更新

共有名義の物件を売却したい時は覚悟が必要?面倒なことになるかも!?

共有名義の物件を売却したい時は覚悟が必要?面倒なことになるかも!?

こんにちは、自称“不動産業界の申し子”、コンサルタントF山です。

以前は、「共有名義持分割合」についてお伝えしました。意外に気をつけたいポイントがあることがお分かりいただけたでしょうか? そんな“厄介者”の共有名義に関することでさらに注意したいのが、「共有名義の不動産を売却したい時」なんです。

共有名義は売却時に全員の同意が必要!?

ご両親の死後、かつてご両親が所有していた不動産を相続することになったYさん。バツイチ単身のYさんは、そのタイミングで実家に移り住むことに決めました。しかし、ここで問題が発覚します。Yさんには4つ年下の弟がいますが、相続の対象となる財産はその不動産のみ。不公平にならないように1つの不動産を共有名義で相続することにしました。

実家にはYさんが暮らすものの、持分割合は平等に分けて1:1に設定。相続で厄介ごとになるのは避けたかったYさんにとって、共有名義での相続がベストな選択だろうと考えたのです。しかし、これが後々トラブルの引き金になるとは、当時のYさんは夢にも思ってもいなかったでしょう。

共有名義で不動産を相続してから3年ほど経ったころ、Yさんの弟はYさんにこんな相談を持ちかけました。「この家、売却できないか?」と。よくよく話を聞いてみると、Yさんの弟は子どもの大学進学のために少しでも足しにできるお金を必要としているようでした。

しかし、売却するとなれば、実家に暮らすYさんは出ていかなければなりません。また、幼少期の思い出が残る家でもあるため、Yさんは売却に同意することができませんでした。初めは申し訳なさそうに話を切り出してきたYさんの弟も、Yさんの頑なな態度に対して徐々に怒りを募らせるように……。「兄貴が何と言おうと、共有名義で半分は俺の持分なんだから、やろうと思えば売却できるからな!」 Yさんの弟はそう言い残し、その場を立ち去ってしまいました。

さて、Yさんが売却に同意していない状態にもかかわらず、本当に共有名義の不動産を売却することはできるのでしょうか? いいえ、共有名義の不動産の場合、売却時には必ず権利者全員の同意が必要になるため、1人の権利者の独断で売却することはできません。これは持分割合の大きさに関係なく、たとえ全体の9割の持分がある権利者であっても勝手に売却することはできないのです。ここが共有名義のもっとも厄介なポイントです。

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Yさん兄弟のケースでは、売却を拒否しているYさん自身がその家に暮らしていることもあり、この状態で売却することはほとんど不可能でしょう。Yさんの弟が“自分の持分だけ”を売却することはYさんの同意がなくても可能ですが、まったくの第三者が共有名義の不動産の一部を手に入れたいというケースは稀ですし、たとえ専門業者などの買い手候補があったとしても、それほど高値で取引されることはないと思います。なにより、兄弟間でさらなるトラブルを招く可能性もあるため、あまり現実的な方法ではありません。

今回のYさん兄弟の場合は当てはまりませんが、ケースによっては次にご紹介するような方法で売却が可能になることもあります。

共有名義者が拒否しているけど、どうしても売却したい!

共有名義の不動産を売却したい時、他の共有名義者が拒否している場合は、「他の権利者の共有持分を買い取る」という選択肢が考えられます。これを共有分割請求権と呼び、共有名義の場合、権利者の1人が他の権利者に対して共有持分を請求することができる権利を指します。要するに、不動産の共有状態を解消することで、売却手続きを進めやすくするという方法です。

共有持分の請求をするには、まずは当事者間(共有名義の権利者全員)の協議によって決められます。そこで話がまとまらなかったり、そもそも協議に応じてもらえなかったりした場合は、裁判所の調停手続きによって解決できることも大事なポイントとして覚えておきましょう。

 

次回も、コンサルタントF山がちょっと難しい不動産用語を分かりやすく解説します。どうぞお楽しみに!



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