access_time2017年4月26日 更新
共働き夫婦の住宅ローン事情!「ペアローン」について学ぼう

こんにちは、自称“不動産業界の申し子”、コンサルタントF山です。
住宅ローンの「ペアローン」のこと、どれくらいご存じでしょうか?特に共働きのご夫婦なら、一度は聞いたことがあるかもしれませんね。本コラムではペアローンの仕組みやメリット、デメリット、留意点などを紹介していきます!
ペアローンとは夫婦別々に借り入れるローンのこと
結婚5年目を迎える共働きのH田さん夫妻。そろそろ、お互いの職場までアクセスのよい都心部に中古マンションを購入しようということになり、住宅ローンの検討を始めました。住宅ローンについてくわしく調べていくうちに、夫婦別々にローンを借り入れる「ペアローン」の存在が気になってきたところです。
ペアローンってどんな仕組み?
ペアローンの場合、夫婦がそれぞれで住宅ローンを組みます。つまり1つの物件に対して住宅ローンを2本立てにするのです。お互いに借り入れに債務を負う、連帯保証人になります。たとえば夫が2,000万円、妻が1,000万円、計3,000万円の住宅ローンをペアローンで組んだ場合は下図の通りです。
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住宅ローン控除はどうなる?
住宅ローンといえば、気になるのが控除の問題ですよね。ペアローンはそれぞれが住宅ローンを借り入れるので、控除も夫婦別々で受けられます。また、団信(団体信用生命保険)への加入も可能です。団信に加入しておけば万が一、夫が亡くなった場合も、夫が契約していた住宅ローンは全額完済することができます。もちろん妻が借り入れた住宅ローンは、そのまま払い続けなければなりません。
ペアローンで気を付けたいこと
◎諸経費は2倍かかることを忘れずに
意外にも盲点になりがちなのが、住宅ローンを借り入れる際の諸経費のことです。ペアローンは住宅ローンを別々に2つ組むため、当然ながら事務手数料や契約の印紙代などの諸費用は2倍かかります。
◎共有持分の割合にご注意
夫婦で住宅ローンを借り入れた場合、住まいは共有名義となり、登記の際には共有持分の割合を設定する必要があります。持分の割合はそれぞれが負担した金額に準拠します。つまり夫が2000万円、妻が1000万円を借り入れたとすると、持分は夫と妻で2:1です。異なる持分割合で登記してしまうと、夫から妻へ不動産を贈与したと見なされ、妻に贈与税が課されることもあり得るので注意しましょう。
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ペアローンは、それぞれが自分で借り入れた住宅ローンを返済していかなければなりません。夫婦で将来的な返済計画を見据えているかどうかが肝心です。初めは共稼ぎでも、妻が出産・育児などで休職、退職すると収入は減ります。妻の住宅ローン返済を夫が肩代わりすると夫から妻に資金を贈与したとみなされる可能性もあるため、長い目で見てペアローンを選択するべきか判断してくださいね。
次回も、コンサルタントF山がちょっと難しい不動産用語を分かりやすく解説します。どうぞお楽しみに!