access_time2017年3月21日 更新
住宅ローンの返済は終わっていないけど売却したい!それって可能?

こんにちは、自称“不動産業界の申し子”、コンサルタントF山です。
念願かなって手に入れたマイホーム。しかし、やむを得ない事情で不動産の売却を検討している人もいるのではないでしょうか。特に多いケースが「離婚」によるものです。
とは言っても住宅ローンを返済している最中だけど、売却は可能なの?という疑問の声もよく聞かれます。今回はそんな疑問にお答えしていきたいと思います!
離婚をきっかけにローンの残っている家を売って出直したい!
離婚がついに決まったY川さん夫妻。10数年前に夫婦の共有名義で購入した家の住宅ローンがまだ残っていますが、「離婚を機に心機一転、お互いに新しい生活をはじめよう」と住まいの売却を考えています。でも、果たして住宅ローン返済中の家を売却することはできるのだろうか?Y川さんは悩んでいました。そこで知人から不動産コンサルタントを紹介してもらい、相談することにしました。
家の売却金額がローンの残債を下回る場合、通常の売却はできない
住宅ローンの残債がある物件は、売却によって得た資金あるいは自己資金で住宅ローンの残債を一括返済しなくてはなりません。そして抵当権を抹消して売却に至ります。Y川さんは不動産コンサルタントにまず住宅の査定をすることをすすめられました。
不動産会社が出した査定額がローンの残債よりも上回れば、売却は可能です。逆に査定額が残債の金額よりも下回る場合は、原則として通常の方法では売却することができません。その場合、住宅ローンの名義人であるY川さん夫妻は、離婚後も完済するまでローンを支払わなければなりません。Y川さんが不動産会社から提示された査定額は予想以上に金額が低く、どうやら住宅ローンの一括返済は厳しいようです。
「任意売却」ならローン返済中でも家を手放せる?
Y川さん夫妻は、不動産コンサルタントから「任意売却を検討してみたらどうか」というアドバイスを受けました。Y川さん夫妻のように家を売却しても住宅ローンが完済できないケースでは、住宅ローンの借主(債務者)と銀行や保証会社などの貸主(債権者)との間に専門の不動産業者を立てて交渉を進めることで、一般市場で売却することが可能となります。この方法を「任意売却」と言います。
通常、住宅ローンが支払えなくなった場合は最終的に家を競売にかけられてしまいますが、任意売却を選択すればそのリスクを回避できます。また、安く買われてしまう競売よりも一般的な相場に近い価格で売却することができ、ローンの残債を減らせる可能性が高まるのです。Y川さんは不動産コンサルタントを通して、「任意売却」を進めることにしました。
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離婚後、共有名義の夫や妻が行方不明だと、住居を売却できない!?
今回のY川さんのケースには当てはまりませんが、不動産を夫婦の共有名義で所有している場合、離婚後に家の所有権を持った夫、もしくは妻と連絡がとれなくなってしまうと、家の売却ができない場合があります。不動産売却においては、すべての共有名義者の合意を得なければ実行できないからです。
別れた相手とすぐにでも縁を切りたいという場合もあるかもしれませんが、かえって予想外のトラブルを招く可能性があるため、正式に離婚する前にきちんと整理し、今後どうするのかを話し合っておきましょう。
次回も、コンサルタントF山がちょっと難しい不動産用語を分かりやすく解説します。どうぞお楽しみに!