竣工図は中古マンションを購入する時に確認

access_time2017年7月10日 更新

中古マンションを購入する時は「竣工図」を確認しよう

中古マンションを購入する時は「竣工図」を確認しよう

マンションなど不動産の購入には慎重さが必要になるので手間も時間もかかりますし、精神的にストレスを感じてしまうことも多いですね。とても大きなお金を払う買い物ですから間違いや不備があってはいけませんし、後になってトラブルが起きるような物件は絶対に買いたくありません。

不動産よりはずっと安い家電製品などの購入場面でも値段に対するスペックや機能をしっかり確認するはずですし、その他日用品にしてもしかりですが、こと不動産となると万が一の場合のダメージが非常に大きくなりますからストレスを感じるほどの慎重さも必要になろうというものです。住宅の購入では大きく新築と中古物件に分けられますが、購入に際して特に慎重さが求められるのは中古物件の方です。新築物件でも最近は耐震偽装などの問題もあるので安心はできませんが、基本的には新車と同じで安心して買うことができると考えて良いでしょう。

対して中古物件の場合は経年劣化や前の住人の使用歴という要素が入りますし、自分で建てたわけでもないので、どんな建材を使用し、壁の厚みがどれくらいかなどは購入希望者は承知していません。痛みの度合いはもちろん、何もかも分からない状態ですから調査が必要になります。

そこで目視による現地調査の他に確認しておきたいのが「竣工図(しゅんこうず)」というものです。

「竣工図」とは?

一般の方はあまり聞くことのない名前だと思いますが、物件を建築するにあたって作成される図面資料の一種になります。

物件の施工の際には先に建築士が作成する「設計図」や「施工図」と呼ばれるものが作成されますが、建物の施工には多くの専門分野に分かれて各職人が連携しての作業進行が求められます。それぞれが支障なく工事が進められるよう、工事の全体像を計画したり現場の作業員がスムーズに仕事ができるように作成さるのが設計図や施工図の役割です。ただ現場で実際に着工した後は様々な事情で当初の計画通りに進まなくなることが多くなります。

如何に専門家が作成した図面といっても、細かいところで必ず修正個所は出てきますし、関係行政機関から指導が入り当初の計画が修正されるといった事態も起こり得ます。

そのようにして生じた変更点についても反映された図面が「竣工図」となります。

「竣工」とは建築物等の工事が完了して出来上がることをいいますが、各種変更や修正など紆余曲折を経て、最終的に出来上がった建物の情報を記した図面が「竣工図」となるわけです。従って建物が完成した後、その建物についての詳しいことを知りたいならば竣工図を確認することになります。

一方、例えば後に何かトラブルが起きて、設計施工段階でおかしな計画をしていなかったかなどを確認するには当初作られた「設計図」を確認するということになります。

竣工図はどこにある?

竣工図は基本的にはマンションの管理組合が管理しています。外部に管理を委託している場合にはその委託先にある可能性もあります。

ただ中には竣工図を紛失してしまっているケースもあり、その場合はどうしようもありません。また購入契約が済むまでは閲覧させないという組合もあるようです。この点については購入を強く示唆して何とか確認できるように交渉が必要でしょう。

本当に竣工図を紛失してしまっている場合、これは購入を考えている人にとっては購入を見送る方が良いかもしれないことを示しています。竣工図が無いと将来の大規模な修繕が難しくなる可能性がありますから、自分が住み始めた後でそのような問題が生じることを示唆するからです。また単純に重要な書類をしっかり管理できていないということは、これも管理組合のレベルが低いことからくるトラブルの発生も予想されます。場合によっては購入を控えるという選択も視野に入ってくるかもしれませんね。

竣工図の読み解きは素人では難しい

竣工図で確認したい床や壁の厚さについてお話しましたが、他にも色々な情報を得ることができます。しかし実際の竣工図というのは一目見ただけではすぐに情報を読み取ることができないような専門的な図面です。

よくよく読み込まないと必要な情報をすぐに得ることは難しいので、素人の方ではちょっと見せてもらう程度ではその本来のメリットを得られないかもしれません。この点、失敗の無い安全性を優先するマンション購入を目指すならば専門家の助力を得ることは大変有効です。

このような時にホームインスペクションを行っている建築士の助力を得ることで、素人には読み解きが難しい竣工図から判断されるリスクなどを正確に知ることができるでしょう。ホームインスペクションは「住宅診断」とも呼ばれますが、これは本来物件の基礎や屋根裏、配管など、素人では調査が難しいところまで立ち入り、専門家の視点でその住宅の状態を把握し、依頼者に伝えるものです。依頼者は物件について目に見えないリスクまで把握することができるので、購入の是非の判断が容易になります。住宅診断そのものについては依頼するかどうか別にして、現地同行による竣工図のチェックだけを依頼すれば、そこから必要な情報を掴みとることができます。

もちろん費用はかかりますし、現地同行による竣工図チェックだけを依頼できるかどうかは個別の事務所に相談する必要がありますが、中古物件でのトラブルについて心配に思う方が増えていることもあり、こういった要請への対応に力を入れる建築士が増えていますからネットなどで調べて相談してみましょう。専門家に依頼すれば、調査対象のマンションの管理組合や事務委託先の業者と掛け合って事前に必要書類の準備などの段取りもしてくれます。竣工図は専門的で素人では詳細が分かりにくいので、管理組合の人も、また不動産業者など管理会社の従業員でさえ話が通じにくいこともあります。専門家に依頼すれば調査に時間を浪費せずにスムーズなチェックが可能になります。

まとめ

今回は一般にはあまり馴染みのない「竣工図」について見てきましたが、その建物が完成した後の実際の情報が反映される図面であることが分かりましたね。

マンションの購入で安全を期したいならばぜひ確認しておきたいものですが、読み取りが難しいのが難点ですので必要に応じて専門家の利用を検討しましょう。

良い物件は他の買い手候補に先に取られてしまうリスクがありますが、購入是非の迅速な決断を手助けしてくれるでしょう。



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