access_time2018年7月23日 更新

不動産投資で考えられる消費税還付とは

不動産投資で考えられる消費税還付とは

平成26年に消費税が8%に変更されたことにより、不動産投資をする方には大きな負担となりました。平成30年年6月現在、消費税は平成31年10月に10%になることが予定されています。そこで多くの方が気になるのが節税ではないでしょうか。今回紹介する消費税還付とは、一定の条件を満たすと消費税が還付されるというものです。しかし、この消費税還付の制度も年々厳しくなっています。消費税還付とはどのようなものか、そして今後も小税還付は期待できるのかなどについて紹介していきます。

消費税とは

消費税とは、消費にともなう税金で広く公平に負担をする間接税のことをいいます。消費税は、商品やサービスなどが販売されるときに、販売価格に上乗せされており、実質消費税を負担するのは一般の消費者になります。

今回紹介する消費税還付とは、不動産投資で大きな節税と考えられています。平成28年の税制改正までは、のちほど紹介する「自動販売機スキーム」という消費税還付をうける方法がありましたがこの方法は使用するのが難しくなりました。また、消費税還付は平成28年の税制改正によりさらに厳しい状況になっています。

消費税還付を受けるためには

不動産投資で消費税還付を受けるためには、課税事業者になる必要があります。不動産投資で賃貸経営をおこなうだけでは課税事業者になりません。もともと賃貸経営者は免税事業者になるからです。消費税還付を受けるためには以下のような条件があります。

①課税事業者になる

<課税事業者になる条件>

・2年前の課税売上高が1,000万円超える個人事業者または課税事業者

・2年前の事業年度の課税売上高が1,000万円を超える法人(課税事業者)/「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者となることを選択した者

・基準期間がない法人で資本金または出資の金額が1,000万円以上の法人

②資本金1,000万円以上の法人を設立する

消費税の仕組み

消費税は、預かった消費税から支払った消費税を差し引いた額が納付額になります。

預かった消費税とは、商品やサービスの売り上げに対する消費税です。

支払った消費税とは、仕入れや経費などの消費税です。

預かった消費税―支払った消費税=納税額

この「預かった消費税」が「支払った消費税」より多ければ、消費税還付を受けることができます。

・例えば、100円で仕入れたリンゴを200円で販売するとします。

売上額:200円+消費税16円

仕入額:100円+消費税8円

利益:100円+消費税8円

販売したことにより預かった16円から仕入れた消費税8円を差し引くと8円残ります。この8円を納税します。

・次にこのリンゴを販売しているお店が建物を建築したとします。

売上額:200円+消費税16円

仕入額:100円+消費税8円

建物の建築額:1,000万円+消費税80万円

利益:1,000万円+799,992円(80万円-8円)

預かった消費税8円より、支払った消費税800,008円の方が多いため、799,992円が返ってくるという計算になります。

消費税はどれくらい還付されるのか

それでは、不動産投資に関わる消費税還付について例を交えて紹介します。

自分の保有している土地に、1億円の物件を建てたとします。現在消費税は8%ですので以下のような計算になります。

建築代金 1億円(税抜き)

消費税  1億円×0.08=800万円

建築代金+消費税は1億円+800万円=1億800万円(消費税込み)

通常であれば1億800万円支払います。

ここで800万円の消費税を還付される計算になります。

しかし、アパートやマンションなどの賃貸経営の場合、非課税売上なので消費税還付を受けることができません。課税事業者でない限り、納税義務がないからです。

ここで消費税還付を受けるためにおこなわれたのが、自動販売機スキームです。

自動販売機スキームとは、賃貸経営をする経営者が、課税事業者となり消費税の還付を受けるために行われたスキームです。消費税の還付を受けるためには、アパートやマンションが完成する年度に課税売上をあげる必要があります。そのため、自動販売機で売り上げをあげるのです。建物が完成するまでの間は賃貸料金が発生しないため、自動販売機の売り上げのみです。そのため、先ほど紹介したように、課税売上からマンションを建築するための消費税を引くと課税売上が高くなるため、消費税還付ができるのです。

この自動販売機スキームは平成28年の税制改正がおこなわれるまでは、「課税事業者選択届出書」を税務署に提出すれば、課税事業者となることができたため、消費税還付ができました。しかし現在はこの方法は使用するのが難しくなっています。

平成22年と平成28年の税制改正とは

それでは、平成22年平成28年でどのような税制改正が行われたのか比較していきましょう。

平成22年の税制改正では、「課税事業者選択届け出書」を提出し、2年以内にアパートやマンションを建築し購入すれば、3年目から消費税還付が可能でした。平成28年の税制改正では、不動産などの高額資産を建築した場合は3年を経過する日までは、「課税事業者選択不適用届出書」などを提出しても届け出は無効とみなされます。

・平成28年税制改正では

平成28年の税制改正の中で、高額特定資産を取得した場合の中小事業者に対する特定措置の駅用関係の見直しについて、以下のように書かれています。

①事業者が事業者免税点制度や簡易課税制度の適用を受けない期間に高額特定資産を仕入れた場合、当該高額特定資産の仕入れなどの属する課税期間の翌課税期間から、当該高額特定資産の仕入れなどの属する課税期間を3年経過する日の属する課税期間までは、事業者免税点制度や簡易課税制度を適用しない。

②自己建設高額特定資産(自ら建設した資産)は、当該自己建設高額特定資産の建設で仕入れた費用が1,000万以上になった日の属する課税期間の翌課税期間においては、事業者免税点制度や簡易課税制度を適用しない。

③その他所要の措置を講ずる

平成28年4月1日以降に高額特定資産の仕入れ等を行った場合に適用する。平成27年12月31日までに締結した契約に基づき、平成28年4月1日以降に高額特定資産の仕入れ等を行った場合は適用しない。

すなわち、物件の購入をおこなった年から3年間は、免税事業者に戻すことはできなくなりました。そのため1年目に消費税還付を受けても、免税事業者に戻すことができないので、2年目も課税事業者として納税をしなければいけません。つまり、自動販売機スキームなどこれまでの方法で消費税還付を受けることができなくなりました。

消費税還付は、課税売上が発生する不動産を持っている場合、消費税還付を受けることができます。例えば、店舗、事務所、駐車場などの収入がある物件や、不動産投資以外に自営業などの収入がある場合など、3年間課税売上を維持し、一定の条件を満たすことができれば消費税還付を受けることができます。ただし、消費税還付を受け取った年から3年間の間に課税売上が50%下回ると、還付した消費税を返納しなければいけません。

消費税還付は難しくなった

平成28年の税制改正までは比較的簡単に消費税還付をすることができました。しかし、平成28年の税制改正により消費税還付はかなり厳しくなりました。しかし、消費税還付ができなくなったという訳ではありません。不動産投資以外に高い水準で安定した収入があれば、消費税還付を受けることができます。素人には難しい側面があるので、この機会に税金に詳しい専門家に相談してみましょう。どこに相談すればいいのかわからない場合は、不動産投資に詳しい会社に相談するのもひとつの方法です。

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