不動産投資で使う利回り計算を解説

access_time2017年5月18日 更新

不動産投資で収益を出すのに欠かせない利回り計算を解説

不動産投資で収益を出すのに欠かせない利回り計算を解説

不動産投資で成功するためには物件調査時点できっちり収益の出る物件を見極める必要があります。そして、収益の出る物件かどうかを見極めるためには不動産投資特有の利回り計算について正しく理解しておくことが大切です。

今回は不動産投資で収益を出すのに欠かせない利回り計算についてお伝えします。

利回りとは?

具体的な話をする前に、最初に利回りについて理解しておきましょう。

利回りとは投資額に対してある一定期間にどれだけの収益が見込めるのかを表す数値で、以下の計算式で求めることができます。

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なお、一般に利回りと言えば年間利回りであることがほとんどです。

例えば、以下の2つの物件の年間利回りを計算してみます。

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上記の例のように、物件を利回りで考えることでどちらの物件がよりお金を有効活用できているかを判断することが可能になります。

②の物件では1棟で100万円の収益が見込めるのですが、①と同じような物件を4棟見つけることができれば投資額1憶4,400万円で年間120万円の収益が得られることになり、少ない投資額でより大きな収益を得ることも可能となります。

表面利回りと実質利回り

上記で利回りについて簡単に解説しましたが、不動産投資には2つの種類の利回りがあることを理解しておく必要があります。

1つめの利回りは表面利回りです。

不動産投資は、物件を取得した後も管理費や不動産会社に支払う手数料、固定資産税などさまざまな経費が掛かります。毎月の収入が30万円あっても、こうした経費で10万円掛かれば実際に手元に残るお金は20万円しかありません。

①毎月の収入30万円-②毎月の経費10万円=③手元に残るお金20万円

とはいえ、こうした経費は取得前に全て計算することは難しいです。表面利回りはこうした経費を全く無視して計算した利回りで、以下の計算式で求めることができます。

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例えば、月30万円、投資額3,600万円の物件であれば表面利回りは30万円×12カ月÷3,600万円で10%となります。

 

2つめの利回りは実質利回りで、こちらは経費を考慮します。

実質利回りは以下の計算式で求めることが出来ます。

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例えば、月30万円の家賃収入があり、月10万円の経費がかかる投資額3,600万円の物件であれば、(30万円-10万円×12カ月)÷3,600万円で利回りは6.7%程度となります。

 

不動産を実際に購入する前には、表面利回りではなく出来るだけ正確な実質利回りを把握する必要があります。

ある不動産投資家の利回り計算

ここからは、すでに2つの物件を取得している一部上場会社員Aさんの実際の不動産を使って利回りを算出してみます。

 

一部上場会社員Aさん 年収600万円

取得物件1:地方都市 RC造築21年 取得価格6,000万円 年間家賃収入480万円

取得物件2:地方都市 RC造築28年 取得価格1億円 年間家賃収入840万円

 

Aさんは地方都市を中心に投資用不動産を探している投資家で、これまで取得した物件についてはRC造で築20年程度、利回り8%を条件に物件調査を行い、実際に2つの物件を取得してきました。

利回り8%あれば単純計算で12.5年あればもとが取れると考えていたのですが実際に取り組んでみると意外な程手残りが少ないことに気が付きます。

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管理費や固定資産税がかかる

Aさんの取得した2つの物件は毎月家賃収入の5%の管理費と、年間で130万円程度の固定資産税がかかります。こうした年間の経費を計算すると、(物件1の年間家賃収入480万円+物件2の年間家賃収入840万円)×5%+130万円=196万円となります。

また、これ以外にも水道光熱費や修繕費用、火災保険、新たな入居者を募集するための広告費用等年間200万円程度の費用がかかり、合わせると年間396万円の経費となります。

年間の家賃収入から経費を差し引くと、利回りは5.9%にまで下がります。

この利回りが、先に説明した実質利回りとなります。

購入時の利回りは想定家賃から算出されていた

また、Aさんは取得前にも気づいていたもののそこまで深く考えていなかったことがあります。それは、取得時に空室であった部屋の家賃についてです。

空室に新しく入居者を募集する場合の家賃は、こちらで価格を決めて募集するものの、最終的には入居者との交渉の末に決定します。しかし、取得時に空室であった部屋はこれまでの家賃から算出した想定家賃で利回りが出されています。

 

Aさんが最初に取得した物件(物件1)は取得時に6戸中2戸が空室の状態でした。

Aさんは、想定年間家賃は空室の2戸も他の4戸と同程度に設定されていることから、新しく募集すれば同じ位の家賃で入居者を迎えることができるだろうと考えていたのですが、実際には他の4戸は比較的長く住んでくれている世帯で、築年数が古くなった現在では同じ家賃で入居者を決めることができず、元の家賃より10%程度低い家賃という結果となりました。

表面利回り8%だと思っていた物件は、実際には7.5%程度の物件だったということになります。

このように不動産会社の紹介する想定年間利回りは必ずしも正しくないことがあります。空室のある物件の想定家賃はその地域の相場や築年数と比べて妥当かどうかよく調べておく必要があります。

空室リスクをできるだけ正確に把握しておく

表面利回りも実質利回りも、基本的に満室の状態を想定して計算されています。

Aさんの取得した2つ目の物件(物件2)は長く住んでくれる人が多いものの周辺に学校や病院など進学や転勤で人が入れ替わる施設も無く、一度退去者が出ると年単位で空室となってしまうこともしばしばある物件でした。

実際、8つある内の2つが同時に長く空室となる事態に陥った時期もあり、この時の利回りは表面利回りで5.5%程度まで下がっていた計算となります。

こうした環境にある物件は、力のある不動産投資家からは相場と同程度の価格では買われないことが多く、相場より低い金額で売りに出されていることがあります。単純に利回りだけを見ているとお得な物件のように見えますが、こうした目に見えないリスクも良く調べた上でそれでもお得なようであれば購入するようにすると良いでしょう。

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ローンの返済額も忘れずに

ここまで表面利回りや実質利回りについてご説明してきましたが、実際には家賃が入ってきてもそこから経費を支払い、さらにローンも返済することになります。

例えば、Aさんの場合1憶6,000万円の物件を返済期間25年、金利2%程度で借入していたため、月々70万円程度、年間で840万円程度をローン返済に充てなければなりません。

家賃収入1320万円の内400万円程度が経費として支払われ、ローン返済で840万円支払えば手残りは年間で80万円しかありません。空室が出てしまえば現金を手元に残すところか、毎月赤字となってしまう可能性もあります。

なお、実際には取得時に課税される不動産取得税や、不動産投資により発生した所得に対する税金もかかるため特に満額に近い価格でローンを組むと手残りの現金はほとんど残らないことも少なくありません。

不動産投資では利回りだけに目をとらわれるのではなく、経費の圧縮や少しでもローン返済額を減らすための銀行との金利交渉等、全体のキャッシュフローを意識した取り組みが必要です。

まとめ

今回の記事では、不動産投資の利回りには大きく表面利回りと実質利回りの2つがあることをご説明しました。物件調査の際は表面利回りだけに留まらず、より正確な経費を算出した実質利回りで考えることが大切です。

その上で、ローンの返済額を減らすための銀行との金利交渉や空室リスクの捉え方、築年数による家賃の低下などを織り込んだキャッシュフローを考えられるようになると不動産投資で着実な収益を得られるようになるでしょう。

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