access_time2017年7月19日 更新

一年のうちでマンションが売りやすい「売り時」はあるのか?

一年のうちでマンションが売りやすい「売り時」はあるのか?

色々な事情でせっかく買ったマンションを手放さなければならなくなることもあります。「どうせ売るならばできるだけ高く!」これがオーナーさんの正直なところですよね。

できるだけ高額で売るためには業者の選定や物件の管理法、ちょっとした工夫など色々とやれることはあるのですが、一年のうちで時期的に有利に売却を進められる「売り時」のようなものはあるのでしょうか?もしあるのだとすればその時期も味方に付けることでさらに有利な売却が期待できるかもしれません。

今回はマンションに売り時はあるのか?をテーマに考察していきます。

同じマンションでも賃貸はどうなの?

マンションにも売買物件と賃貸物件がありますが、参考として賃貸マンションやアパートの成約件数を調べてみると面白いことが分かります。

ある大手不動産関連企業が行った調査で、1年を通して賃貸物件の成約件数をまとめてみると1月、2月、3月の成約件数が他の月よりもかなり成約数が伸びていることが分かりました。特に3月の成約件数は最も少ない月に比べて1万5千件以上の差が付いたようです。

これは平成26年9月から平成27年8月まで首都圏で行ったデータですが、ここからどのようなことが推測できるでしょうか。恐らく就職や転勤、人事異動、あるいは進学などで4月の年度初めの始動に備えて多くの人が動き始めるからではないか?ということが伺われます。3月に特に有意な差が認められるのは年度初め直前となるこの月までには必ず住居を用意しなければならないからでしょうね。3月の駆け込み需要が多くなると良い物件がすぐに取られてしまうので、少し前の1月、2月あたりからすでに動き始める方が出てくるために同月から段々と成約数が上がってくるのでしょう。

これは首都圏のデータですが、地方都市でも同じことが言えそうですね。

では中古マンションの売買取引についてはどうでしょうか。

中古マンションの売買ではどうか?

不動産関連の技能試験や検定試験などを主宰する公益社団法人不動産流通推進センターが平成15年の首都圏における中古マンション売買の成約数についてまとめた調査によると、概ね2,000件台の他の月と比べて2月、3月、5月、6月が3,000件を超える成約数となっています。最も多いのが3月の3,700件台、次いで2月の3,200件台となっています。やはり年度のつなぎ目である2月、3月の取引が活発になることが伺われますが、賃貸物件と違って一年を通してみると全体的には実はそれほど他の月との差は大きくありません。成約数が最も多い3月と一番開きのある月との差は1,300件台とこの点は開きがありますが、年全体を通してみると、3月を頂点としながらも比較的数字の変動は緩やかな印象があります。ここから読み取れる要因はどのようなものがあるでしょうか。

賃貸物件と違って高額になる中古マンションは自分のこれからの長い人生を長期スパンで考えるため、取引には慎重さが求められることになります。そのため転勤や進学などとは基本的に切り離し、必要な場面でじっくり考えて購入することになるので、月ごとの激しい増減が起きにくいのかもしれません。ただ起きにくいとはいっても、やはり長期間の転勤辞令が下りれば住居の住み替えなどを検討する方もいるでしょうし、年度末までに住居を用意しなければならない事情が出てくることも多いので意識はされるのでしょう。そのためやはり3月の数字が他の月に比べれば大きくなるのではないか、ということが推測されます。それでも、売買取引では他に金利などの情勢や税関連の施策なども大きな影響を及ぼすので、「年度初めに備える」要因の力が賃貸物件よりは相対的に下がるのだと思われます。

ではここで、現場の不動産業者の方の意見を見てみましょう。

現場で感じる売り時は?

大手住宅流通会社が運営する一般の方からの質問を受け付けるサイトを調べてみると、やはり中古マンションの売り時について質問されています。

それに対する各不動産業者の担当者の返答を調べてみると、概ね7割ほどの業者は「特に売り時というのはない」と返答しています。残りはやはり年度末付近、あるいは増税前などが狙い目になると答えています。面白いのはその中に「長期連休前後がおすすめ」というものがあります。

長期連休中に実家に帰省して家の購入の話題になることがあり、そういったお客さんからの相談が増えるというのが理由のようです。従って購入意欲が高まるその時期の前から準備をすると良い、というものでした。これはなるほど、ある程度の納得性があるのではないでしょうか。

ではこれまで見てきた要因を踏まえて、マンションの売却でどのように立ち回れば良いか考えてみましょう。

マンションを売却する立場での売り時の考え方

マンションを売る立場としてはできるだけ有利に売り抜けることができるようにしたいのは当然です。より高く、より早く売却を成功させることが目標になるわけですが、そのためには取引が活発になる時期に売るのがベストだということは間違いありません。従って、データから読み取れる以上、取引が少しでも活発になる年度末に備えて売却の準備ができれば最も効率が良いということになります。ただ上でも述べましたが年度末効果は賃貸物件ほどの効力は持たないため、あくまでも「できればその時期に」というくらいの意識で良いと思います。

それよりも、物件の価値の減少なども考えると時期的な売り時にこだわって機を逃してしまうリスクを抱えるのは考えものです。売却することが決まった時点ですぐに動き始める方が、結果的には有利な売却という目標の成功率を高めるのではないかと考えます。その時期がたまたま年度末にあたった、あるいは長期連休付近になったらラッキー、くらいの受け取り方で良いと思います。一方増税など国の施策についてはかなり長期にわたって議論され、法改正の施行日なども相当前からお触れが出るので、こういった情報は事前にキャッチして可能であれば増税前に売れるように配慮すると良さそうですよね。

実際の売却シーンでは、上記のような各種要因の問題もあるものの、自身の住み替えの為に売り時まで待っていられない、税金や債務の支払いの為に早期の換金が必要などの事情も絡んでくることでしょう。そうした事情がある場合は売り時にこだわっていると予想外に売却に苦戦して換価できず、延滞金や懲罰徴税など不利益を被ってしまう危険もあります。

売却の目的によっては売り時よりも優先する事情もあるでしょうから、こだわらずに早く売ってしまう方が安全です。

まとめ

さて今回はマンションに売り時はあるのかという問題を考察してみましたが、確かに人の動きが活発になる年度末付近が時期的な売り時と考えることができそうです。この時期に売りに出すことができれば、需要が増す分売却成功の可能性を高めることができるかもしれません。ただし売り時に無理に合わせて機を逸するリスクもあることからあまりこだわるのはお薦めできないという結論になります。日本ではマンションも含めて中古住宅の価値は低くみられる傾向にあり、短期間で価値を激減させてしまうこともあるので、売却を決めたらすぐにでも動き出す方が良いという原則は変わらないでしょう。金額的にも売り時だからといって市場価値より高く売れるとは考えにくく、需要が増えて買い手候補が多少増える分、相手からの値下げ要求に対する抵抗性が若干上がる程度です。

早めに動いて信頼できる業者を見つける方が優先度としては高いということが言えるでしょう。



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