リノベーションとマンション価格の関係とは

access_time2017年7月28日 更新

リノベーションでマンションは高く売れるのか?意外な落とし穴に注意!

リノベーションでマンションは高く売れるのか?意外な落とし穴に注意!

長年住み続けたマンションは経年劣化だけでなく生活痕による劣化も積み重なっています。

中古マンションではそうした事情は避けられませんが、特に新築信仰が強い日本人にとっては心理的にも実質的にも価値が下げられるため、不動産の中古取引市場ではできるだけ高く売れるようにするために様々な工夫が凝らされます。一昔前はリフォームを施して売却に臨む方法も用いられましたが、直接売り値に転嫁しづらいなどの問題もあり現在では慎重に検討される傾向にあります。

リノベーションはリフォームよりも大がかりなものですから、失敗すると大きな負担を負うことも考えられます。またマンション特有の事情も絡むので思わぬ落とし穴にはまってしまうケースも報告されています。

今回はマンション売却を巡るリノベーションの是非について理解を深めましょう。

リノベーションで得られる価値とリスクを知る

リフォームは傷んだ箇所を修復するなどして新築当初の価値に近づける程度の改修を指しますが、リノベーションはその域を超えてさらなる付加価値を付けるものです。

または当初の使用用途を変え、例えば元は住居だったものを事務所など別の目的で使用できるようにすることもリノベーションの域になります。

大きな付加価値を付けることができるので、うまくいけばリノベーション前の市場価値よりも高く売ることができるかもしれない反面、リフォームと違って大がかりな改修工事になるため費用的な負担が高くつくことから、失敗するとその高額な費用を売り値に転嫁できず、オーナーが負担を追ってしまう危険もあります。

十分な勝算がなければ控える方が無難

リノベーションもリフォームと同様、何も戦略を練らずにその費用をそのまま売り値に転嫁すると割高感が出て売れづらくなります。

なぜなら周辺には多くのライバル物件の存在があるからです。それらライバルと比して十分な価値を感じてもらわなければ購入してもらうことはできません。そして買い手にとって「価値がある」と言えるためには、その物件にお得感を感じる、あるいは十分な納得感を得られるものでなければなりません。

売り手の事情で「リノベーションしたからちょっと高いけど、満足してくれるでしょ」という考えが通じるとは限らないのです。周辺に同じくらいの築年数で値段もリノベーション前と同程度の物件があったなら、リノベーションの費用を上乗せした価格では基本的には割高に感じられるでしょう。それでもリノベーションがその買い手候補に魅力的に映った場合は割高感を超える納得感が生まれるため検討対象に残ります。

しかし「自分たちの趣味には合っていないな」「この設備は特に必要性を感じないな」と納得感を持てない場合は割高感を払拭できません。つまりライバルに負けてしまうということですね。リノベーションが功を奏して有利な売却が実現できるかどうかは、購入を検討する側にとって魅力的なものにできるかどうかがカギとなるわけです。

この点、リフォームやリノベーションは誰もが好意を持ってくれるデザインや施工というものがないため、「私たちには得に必要性を感じない」「デザインがピンとこない」など魅力を感じてもらえないリスクが非常に大きく、これがとても難しい問題なのです。従って不動産業者とよく相談し、綿密なシミュレーションによって十分な勝算があると踏んだ場合でなければ基本的にはリノベーションは控える方が安全です。

ではもしリノベーションを検討するとなったらどのような算段で進めれば良いでしょうか。

リノベーションの検討手順

手順としては、まずその不動産業者が抱えている顧客の中に、リノベーション物件を探している人がいないか、あるいは既存の中古マンションでは老築感が嫌なので、リフォームやリノベーションをすることで興味を示してくれそうな顧客がいないかどうか聞いてみましょう。

もしいる場合はかなり話が進みやすく、個別に交渉を申し込んでどのようなリノベーションを行えば購入してくれるかを聞き出し、予算内で可能かどうかなどを検討すると良いでしょう。そのような顧客がいない場合、先に逆算してリノベーションにかけられる費用の上限を算定し、その費用でどこまで価値を高められる改修ができるかを予測します。

リノベーション費用の上限というのは、改修後の最終的な物件の売り値がライバル物件に比べてもそん色のない範囲で収まる程度でなければなりません。例えばライバル物件が同じくらいの築年数で200万円ほど高い値段設定になっている場合には、リノベーションにかけられる費用も200万円が限度になりそうだという具合に予測します。予測値の200万円は、言い換えるとどこまでリノベーションを施すことができるかという「改修の強度」の指標になりますが、さらに200万円でどのようなリノベーションを行うのかという「改修の質」の面を考えなくてはなりません。

上の項で誰もが好意を持ってくれる施工はないとお話しましたが、できるだけ多くの購入層に気に入ってもらうにはしっかりとしたリサーチが必要になってきます。

まず意識しなければならないのがその物件の存するエリアについてです。住宅街にあるのか、商業地域が近い地域にあるのかなど、そのエリアを意識するとそこからそのエリアに多い住人層が見えてきます。閑静な住宅街であればファミリー層が多いと予想できますし、商業地や繁華街が近いエリアであれば単身者や子供を持たない夫婦世帯が多いと予想できます。

このようにターゲットがある程度見えてくると、今度はそのターゲットが好むようなイメージが見えてきます。

ファミリー向けであればキッチンが広めの方が良いとか家族でくつろげる空間を演出してみようなどと、どのようなリノベーションが有効なのかがより鮮明になります。ただしそれでも好みの問題もありますから必ずそのターゲット層の人全員に好まれるとは限りませんが、少なくともやみくもにリノベーションを行うよりかははるかに有効です。

マンションの規約が落とし穴になることも!

リノベーションで注意しなければならないのがマンションの管理規約です。この管理規約によって、用途を変更するような改修は認められないことがほとんどです。そこまででなくとも、騒音防止の関係でフローリングにすることはできないと決められていたり、穴あけやくい打ちなどが不可となっていることも多いです。

管理規約以外の何らかの書面にひっそりと制限事項が書かれているケースもよくあるので、入念に調査が必要です。施工を依頼する業者がマンションのリノベーション経験が豊富な場合はここらへんに特に気を使ってくれますが、戸建ての施行が主でマンションの経験が少ない業者はこの調査を十分にせず後で問題になることがあります。

マンションではすぐ隣に住人が住んでいますから、工事の騒音の軽減なども気を使ってくれるマンション工事の経験豊富な業者を選びたいところです。

まとめ

今回はリノベーションによってマンション売却が有利になるかどうかを見てみました。基本的には売り値への価格転嫁が難しいためリフォーム同様慎重な検討が必要になるので、不動産業者とよく相談する必要があります。

まずは業者の抱える顧客層に個別に交渉できそうな購入希望者がいないかどうか確認してみましょう。もしいない場合、まずはライバル物件の調査を行ってリノベーションにかけられる予算を割り出し、その範囲でどのような施工ができるかを検討します。

ターゲットとなる層にアプローチできるような案ができ施工を実施する場合は、マンション工事の経験が豊富なリノベーション業者を探して依頼するようにしましょう。



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