マンション大家が抱えかねないトラブルとは

access_time2018年7月19日 更新

マンションの大家が知っておきたいトラブルになった2つの事例

マンションの大家が知っておきたいトラブルになった2つの事例

マンションなどの大家をしている人の中で、とても大変だというのが税金や資金ではないでしょうか?例えば、「節税のためにできることはどんなことだろう」「あらたに不動産を購入したいけど資金が足りない」など悩みがつきものです。しかし、節税をするために不正な方法で経費を集めるのは脱税にもつながります。また、資金が足りないけれど、不動産投資をしたいという人も注意です。不動産会社によっては、頭金や諸費用も必要ないですといわれることがあるかもしれません。このような話にはどのような問題があるのでしょうか。2つの問題について確認していきましょう。

①「かきあげ」で二重契約をする

「かきあげ」という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。最近ニュースとなった「かぼちゃの馬車事件」でも利用された方法です。「かぼちゃの馬車事件」では、安定した収入はあるが、頭金や諸費用が用意できないという人を対象に2種類の契約書を作成しました。このような手口で融資を受けます。

この「かぼちゃの馬車事件」では、銀行側もこの二重契約についてわかっていても黙認していたようです。では具体的にどのようなものなのか見ていきましょう。

例えば、物件の費用5,000万円の契約書を一通作成します。これとは別に1,000万円の契約書を作成するのです。この1,000万円の部分は、自己資金が足りない方が頭金や諸費用のために払う費用として使います。

契約は同時ではないので、2つの契約という考え方はないのかもしれません。このような方法を不動産会社から「諸費用などの足りない資金も融資を受けることができますよ」といわれることもあるようです。いまだにこのような方法で融資を受ける人もいたようですが、これは違法です。有印私文書偽造という罪に問われます。

このようなオーバーローンといった不正が発覚すると、銀行より一括返済を求められます。かなり大きな痛手となるので、もしこのような提案がされた場合は警戒した方がいいでしょう。

②不動産投資に関する経費の考え方が間違っている

節税をするためにできるだけたくさん経費を集めたいという方は注意が必要です。節税とは正式な方法で税金を少なくすることです。しかし一歩間違えると脱税にもつながります。では、節税と脱税にはどのような違いがあるのでしょうか。

節税とは、法律に従って税金を少なくする方法です。正確な節税であれば、税務署に指摘されることはありません。しかし、脱税は法律に背いて税金を少なくする方法です。売り上げを少なく申請したり、必要以上に経費を計上したりしてしまうと脱税です。ただし、脱税は刑事罰の対象となることがあります。必要以上に経費を増やすことは控えておきましょう。

例えば、経費を集めるために賃貸マンションの管理に関わる経費をすべて経費にしたという方もいます。実はあとで紹介しますが、すべてを経費にすることはできません。あらたに別の設備をとりつけたり、用途の違う物件に変えるために内装を変えるなどは経費として認められません。

不動産投資に使える経費はどのようなものがある?

不動産投資に使える経費にはどのようなものがわからないという方も多いのではないでしょうか。基本的に不動産投資に使える経費は、「不動産を管理するために使ったお金」を指しています。例えば、事務所の家賃なども経費です。他にも経費の考え方にはさまざまなものがあります。では、国税庁が発表している不動産所得と経費について具体的にどのようなものがあるか見ていきましょう。

不動産所得とは、以下のようなものを指しています。

①土地や建物などの不動産の貸付け

②地上権など不動産の上に存する権利の設定及び貸付け

③船舶や航空機の貸付け

不動産所得はこのように計算します。

(1)総収入金額-(2)必要経費=不動産所得

上の(1)総収入金額には以下のようなものが含まれます。

・名義書換料、承諾料、更新料、または頭金、などの名目で受領するもの

・敷金や保証金などのうち返還しないもの

・共益費などの名目で受け取る電気代、水道代・掃除代など

総収入は家賃収入だけではありません。名義書換料や承諾料、更新料なども含まれます。そのほかに敷金・保証金などです。敷金は退室時に返還する場合も考えられるので、もとから3割は収入として得ることが決まっているのであれば、前もって収入としてあげておきます。また、電気代や水道代、掃除代などは、入居者から集金しているそのままの金額を計上します。

(2)の必要経費とは以下のようなものが含まれます。

間違えやすいのが経費の計上です。お金を払っただけでは経費とみなされません。経費として認められるものは以下のようなものです。

・固定資産税

事業として使っている場所の土地の固定資産税は経費として認められます。自宅の一部を事業として使っている場合は、どれぐらい仕事で使っているなどかを計算して按分することができます。

・損害保険料

火災保険・地震保険など、不動産投資をしている建物に対しての損害保険料は経費として認められます。また、契約期間が1年までのものは全額経費です。しかし、まとめて5年契約した場合は、契約した初年度の文だけ経費としてみなされます。例えば、10月に契約した場合は、年末まで3ヶ月分のみしか経費になりません。

・減価償却費

減価償却とは、事業のために建物・建物に付属している設備など経年劣化によって価値が下がることを意味しています。減価償却費は、購入したときに全額経費となるわけではありません。不動産投資の場合、建物や建物に付属している設備などがその使用している期間にわたって分割して必要経費と計算されていきます。

・修繕費

修繕費とは、事業のために建物や建物に付属している設備などの修繕費で、建物を維持するために修理するための費用は経費として認められています。一般的に修繕費とは以下のようなものがあげられます。

・壁紙や床の張り替えなどの修繕

・水道・お風呂などの設備の修理

建物の修繕でも、以下のような場合は資本的支出となります。

・建物に避難階段の取り付けなど、物理的に加える

・用途変更のための模様替えなど改造や改装など

・設備など品質の高いものに取り換える

経費を増やすと本当に節税できるのか?

節税のために経費をできるだけ集めたいという方も多いのではないでしょうか。

では、本当に節税になるのか一例をみてみましょう。

(例1)

収益500万円

経費300万円

収益-経費 200万円

税金(30%)200×0.3=60万円

手元に残るお金200-60=140万円

(例2)

収益500万円

経費200万円

収益-経費 300万円

税金(30%)300×0.3=90万円

手元に残るお金300-90=210万円

( 例1)では経費を増やすために300万円購入しました。(例2)では200万円です。手元に残るお金を見るとわかるように、経費の少ない(例2)の方が手元に残るお金が多くなります。よって、経費を少なくすると節税にはなりますが、手元に残るお金が少なくなります。この結果から無理に経費を増やすというのは、かえって損になることも考えられます。

都合のいい話を持ち掛けられたときは疑うことも必要

不動産を管理している大家の方はどのように思われたでしょうか?最初に紹介した「かきあげ」の方法ですが、「かぼちゃの馬車事件」でも大きな話題となりました。不動産を購入するためには、頭金や諸費用がかかるということを知っていた人でも、このような方法があるのは魅力的だと感じた方もいたのでしょう。しかし、不動産業界でもこのような契約はタブーとしている風潮もあります。また、二つ目に紹介したように経費の考え方についても難しい一面があります。プライベートの資金まで経費にしてしまい、あとになって税務調査でばれてしまうこともあります。さらに、経費を増やせば手元のお金が減るということも考えられます。一概にこれをすれば節税になるというのは簡単なものではありません。専門的な知識が必要な場合は税理士などの専門家に相談しましょう。

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