access_time2016年12月16日 更新

それほどうまい話でもない!?不動産投資と節税の関係

それほどうまい話でもない!?不動産投資と節税の関係

節税対策といえば、不動産投資がまず思い浮かぶという人も多いでしょう。しかし、不動産投資をすると税金が安くなるということはなんとなく分かっているけれど、具体的に説明できるという人は少ないようです。確かに、不動産投資には節税効果がありますが、それほどうまい話でもないのです。

相続税対策としての不動産投資

相続税の計算をするとき、現金を相続した場合に比べて、不動産を相続した場合のほうが、財産の評価額をおよそ3分の1まで圧縮することができます。土地と建物場合で計算方法が異なります。

《土地》

土地の上に投資用不動産が建てられている場合

土地の評価額=更地の評価額×(1-借地権割合×借家権割合)

ただし、借地権割合は地域によって異なっているものの、60%~70%となっている地域が多く、更地の評価額の18%~21%程度にまで土地の評価額が下がります。

《建物》

『建物の評価額=固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)』

ただし、実際の建物の価格の50%程度になるといわれています。結果的に、不動産の評価額は3分の1程度まで圧縮されるため、現金のまま相続をした場合に比べて、相続税の金額が大きく減額できる可能性があります。

所得税対策としての不動産投資

よく誤解されている方が多いのが、「不動産投資をすると、必ず所得税を節約できる」といった内容です。

例えば、サラリーマンの人で給与所得が600万円あり、そのうえ不動産投資による収入が200万円あるというケースなら、600万円の給与所得についてはすでに源泉徴収がされているので、残りの200万円の収入について、自分で確定申告を行って、税金を支払わなければなりません。この場合、節税効果は一切ありません。

不動産投資をすることで所得税が減額できるのは、不動産経営で赤字が出た場合です。

不動産経営で200万円の赤字が出たなら、給与所得の600万円と損益通算を行うことになっていますので、所得は400万円となります。200万円の所得に対する所得税を払いすぎていることになるので、確定申告をすることで払いすぎた分が戻ってきます。

不動産投資で赤字を出すためのポイントとなるのが、減価償却費です。ここでは計算を簡単にするために、2,000万円の中古マンションを購入して、耐用年数が10年であったケースで考えてみます。マンションの購入にかかった経費は2,000万円ですが、それを1年目に一括して経費として計上するのではなく、耐用年数で割って、毎年経費として計上していくのが減価償却費です。

『2,000万円÷10年(耐用年数)=200万円』となるので、毎年減価償却費として200万円を計上できます。家賃収入から、減価償却費とそのほかの経費を差し引いて赤字が出たなら、その分を節税できるのです。さらに、法人を設立することで所得税が節約できることもあります。年収が1,000万円の人で、家賃収入が300万円あるなら、合計年収は1,300万円となります。この場合、法人を設立することで、所得税の税率が32%から21%まで下がり、30万円程度税金が安くなります。

節税目的で不動産投資を行うのは間違い

上記の説明から、不動産投資を行うことで相続税や所得税が節約できることがわかりました。しかし、同時に、それほどうまい話でもないということも認識されたかと思います。所得税を節約できる効果があるとはいっても、それは未来永劫あるわけでもありません。さらに、所得税を節約するためには赤字を出す必要がありますが、黒字になっているほうが、不動産経営がうまくいっているということです。節税対策を出すために赤字が出るようなマンションを購入して、大きな損失を出してしまったら、本末転倒です。

不動産投資の本来の目的は、長期的に安定した収入を得ることです。節税効果は、プラスアルファの効果にすぎません。日本では少子高齢化が進んでおり、需要のないエリアで物件を購入してしまったら、空室が埋まらず大変な思いをしたり、利益が出ないので不動産を売ろうとしても、なかなか買い手がつかなかったりということも起こるかもしれません。不動産投資には、確かに節税効果があり、うまくいけばダブルの利益を得られる可能性もありますが、節税効果が本来の目的ではない、ということには気をつけておきましょう。

 



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